
アンケート回答率を高める 5 つの工夫【すぐでき る実践ガイド】
アンケートや調査の回答率は、想像以上に低いことが多いものです。一般的なWebアンケートの回答率は一般的に10〜30%程度と言われますが、これはアンケートの設計・対象者・配布方法により大きく変動します。100人に送って30人が回答すれば良いほうで、それ以下になることも珍しくありません。 しかし、ちょっとした工夫を取り入れるだけで、回答率を2倍・3倍に伸ばすことは十分可能です。本記事では、すぐ実践できる5つの工夫を紹介します。
「アンケートを配信したのに回答が集まらない…」
「キャンペーンを企画したのに参加者が少ない…」
そんな悩みをお持ちの方は、ぜひ参考にし てください。
アンケート回答率の実態
企業のマーケティング施策で実施されるアンケートには、
- Webフォーム型
- メール配信型
- 企業向けアンケート
- 店舗での紙アンケート
これらの手法は広く使われていますが、アンケートの回答率は「誰に、どのように」届けるかで大きく変わります。消費者向けWebアンケートでも平均10〜30%程度と言われており、企業担当者など限定された層を対象にすると回答率が数%しか得られないケースも珍しくありません。特にBtoBアンケートはハードルが高く、対策なしでは目標件数に届かないのが実情です。
回答数が不足すると、調査に費やした時間やコストが無駄になるだけでなく、サンプルの偏りにより統計的な信頼性も損なわれます。十分な母数を確保できなければ、得られたデータに基づく意思決定そのものが揺らぐため、回答率を底上げする工夫は欠かせません。
工夫 1:回答依頼の文章にこだわる
アンケート回答率を高める最初の鍵は「回答者の動機づけ」です。行動科学では、人が行動を起こすために Why(なぜ)・What(何を)・How(どのように)の3要素がはっきり示されていることが重要だとされています。依頼文でこの3点を丁寧に伝えるだけで、完了率が大幅に改善するケースは少なくありません。
期待されるメリットを明確に伝える
行動経済学の期待価値理論では、行動選択の意欲は「得られる価値×成功確率」で決まると説明されます。アンケート依頼文では、次の4点を押さえると回答動機を高めやすくなります。
- 目的の明確化:なぜこの調査が必要なのか
- 所要時間の透明化:何分あれば終わるのか
- 結果の具体性:回答内容がどのように活用されるのか
- 信頼性の確保:個人情報が適切に保護されること
アンケート回答依頼文の例
アンケートの最初に、このような内容を記載してみてください。
良い例(約 250 字)
いつも○○店をご利用いただき、誠にありがとうございます。当店では、より魅力のある店舗づくりを進めるため、お客様の声を直接お伺いする短時間アンケート(所要約3分)を実施しております。アンケートでは、普段のご利用状況や商品に関するご意見、ご要望などをお聞きし、その結果は貴重なお声として新商品の導入やサービス改善の参考にさせていただきます。ご回答いただいたお客様のうち、先着100名様に日頃の感謝を込めて「次回来店時にご利用いただける500円クーポン」を進呈いたします。皆さまのご協力を心よりお待ちしております。
改善が必要な例(約110字)
顧客満足度向上のためにアンケートにご協力ください。お時間のあるときにお願いします。
○○ストアではアンケートを実施しております。ご回答いただいた方にはクーポンを差し上げます。先着や詳細につきましては店舗にてご確認ください。
良い例では「目的・所要時間・活用方法・特典」が具体的に示され、読み手がメリットを瞬時に理解できます。
>アンケート回答依頼文のチェックリスト
アンケート依頼文を作成する際は、次のポイントを満たしているかを確認しましょう。
- 感謝の言葉が含まれている
- 調査目的が具体的に示されている
- 所要時間が明確に記載されている(±30 秒程度の精度)
- 結果の活用方法が具体的に説明されている
- 実施(回答受付)期間が明示されている
- 個人情報保護について平易な言葉で説明されている
- 業界・自社の事情に沿った表現へカスタマイズされている
- 文章量が200〜300字程度に収まっている
- 専門用語に補足説明が付いている
- 回答が任意であることを明記している
工夫 2:魅力的な特典を用意する
アンケートの回答率を押し上げるうえで、「回答すると得をする」という明確な動機づけは欠かせません。クーポンやポイント付与などいくつか方法がありますが、なかでも即時付与ができるギフトコードは近年とくに採用が増えています。
ギフトコードのメリット
ギフトコードの最大の魅力は、アンケート回答者にその場で特典を渡せる点です。従来の物理景品と違い、回答が完了した瞬間にメールやLINE経由でコードを送信できるため、この即時性が顧客満足度を大きく引き上げます。
一方、「後日発送いたします」という方法では、「本当に届くのだろうか」「忘れられてしまうのではないか」といった不安を招きがちです。特に初回利用者や企業との信頼関係がまだ浅い段階では、その不安が回答率の低下に直結します。ギフトコードならこうした懸念を払拭し、安心してアンケートに協力してもらえます。
加えて、「景品が足りない」「追加発注に時間がかかる」など在庫管理にまつわる心配も不要です。
ギフトコードの選び方
ギフトコードを選ぶ際は、ターゲットとなる顧客の属性やライフスタイルに合わせることが重要です。年齢層が幅広い場合は、世界中のオンラインVisa加盟店で利用できるVisa e ギフトや、コンビニ・ドラッグストア・書店など身近な店舗で使えるQUOカードPayが定番です。
一方、若年層が中心なら、街なかの支払いに便利で割り勘にも使いやすいPayPayポイントコード、あるいはAmazonでそのまま使えるAmazonギフトカードのように、利用シーンを思い浮かべやすい汎用ギフトが喜ばれます。
※Amazon、Amazon.co.jpおよびそれらのロゴはAmazon.com, Inc.またはその関連会社の商標です。
ギフトコード金額設定
アンケート回答の特典として配布するギフトの金額は、アンケートにかかる時間や労力に見合った水準に設定することが望ましいです。下記を目安にすると、参加者に「割に合う」と感じてもらいやすく、離脱防止にもつながります。
- 3分程度のアンケート:300~500円
- 設問は5〜10問が目安で、基本的な属性情報や簡単な意見収集が中心となります。コンビニでのちょっとした買い物やコーヒー1杯分に相当する金額帯のため、気軽に回答してもらいやすい設定です。
- 5~10分程度のアンケート:500~1,000円
- この時間があれば、より詳細な意見や具体的な体験談、改善提案などの貴重な情報を収集できます。ランチ代や書籍代に充てられる金額感で、時間投資に対する納得感を高められます。
- 15分以上のアンケート:1,000円~
- 深い洞察が得られる長めの調査では、1,000 円超の設定が望ましいでしょう。企業にとって価値の高いフィードバックが得られるだけでなく、回答者にとっても日用品や外食費に使える実用的な額となり、回答意欲の喚起につながります。
工夫 3:答えやすいアンケートを作る
どれほど魅力的な特典を用意しても、設問が答えにくいアンケートでは途中離脱が発生します。回答者の心理を踏まえ、最後まで回答したくなる設計を行うことが成功の鍵です。
設問数はなるべく少なくする
アンケート作成者は「あれもこれも詳しく聞きたい」「せっかくの機会だからできるだけ多く情報を集めたい」と考えがちです。しかし、その思いが強すぎると回答者の負担が増え、途中離脱率や回答品質の低下を招きます。
効果的なアンケートでは、質問数を 10問〜15問程度に絞り込むことが重要です。これ以上増えると回答者の集中力が続かず、後半の回答が雑になったり、途中で諦めてしまう可能性が大幅に高まります。
質問を削減する際は、「このアンケートで最も知りたいことは何か」「ビジネス上の意思決定に直結する情報は何か」という優先順位を明確にし、本当に必要な設問だけを残しましょう。すべてを 1 回で聞こうとせず、テーマを絞った複数回のアンケートに分割するのも有効なアプローチです。
答えやすい質問から始める
アンケートの第一印象は、完了率を大きく左右します。最初に答えやすい質問を配置すると、回答者は「これなら気軽に答えられそうだ」と安心し、最後まで取り組みやすくなります。
良い導入例としては、次のような利用頻度を尋ねる質問が代表的です。
- 週に 1 回以上
- 月に 2~3 回
- 月に 1 回程度
- 初回利用
進捗がわかるようにする
アンケートに取り組む際、回答者が最も不安を感じる要素の一つは「あと何問残っているのか分からない」という見通しの欠如です。この不安を放置すると、集中力が切れたり「面倒だから途中でやめよう」という心理が働き、離脱率が一気に高まります。そこで効果的なのが進捗表示の導入です。たとえば画面上部に 「質問 3/10」 とテキストで示す方法や、残りの割合を直感的に示す進捗バーを設置する方法があります。進捗が可視化されると、「あと7問で終わる」「半分まで来た」といったゴールの手がかりが得られ、回答者は安心して最後まで回答を続けやすくなります。特に15問以上のボリュームがある調査では、進捗表示の有無が完了率に大きく影響するため、必ず組み込みましょう。
スマートフォン対応は必須
いまやアンケート回答の7割以上がスマートフォン経由と言われており、モバイル体験を最優先で設計しないと高い離脱率を招きかねません。画面が小さい端末でもストレスなく回答してもらうには、いくつかの配慮が必要です。まず文字サイズは、小さな画面でも読みやすいように十分な大きさを確保します。次にタップエリアを広めに取り、指先で押しやすいボタンや選択肢を配置すると誤操作やイライラを防げます。最後に、質問が長文になる場合は行間を広げて視線の流れをスムーズにし、スクロール量を最小限に抑える工夫も欠かせません。これらのポイントを押さえることで、スマホユーザーでも途中離脱せず最後まで回答してもらえる確率が大きく高まります。
工夫 4:ベストなタイミングで周知する
魅力的なアンケート内容や特典を用意しても、配信タイミングを誤ると回答率は大きく落ち込みます。受信者の生活リズムや心理状態を踏まえ、「いつ送れば読んでもらえるか」を戦略的に考えることが肝心です。ここでは曜日と時間帯、そして体験直後の「記憶が新鮮な瞬間」 に注目した2つのポイントを解説します。
曜日と時間を意識する
- 平日配信は火曜〜木曜が鉄板
- 曜は週初めの業務対応で忙しく、金曜は週末モードに入りやすい。
この傾向はBtoC・BtoBを問わず共通です。業務が落ち着き、集中しやすい火曜〜木曜に配信すると開封率・回答率ともに伸びやすくなります。
- 曜は週初めの業務対応で忙しく、金曜は週末モードに入りやすい。
- 時間帯は午前10時〜午後2時が第一候補
- 午前10時頃には朝イチの急ぎタスクが一段落し、午後2時までは昼休憩前後で比較的時間に余裕が生まれます。ビジネスパーソン向けのアンケートなら、ここが“読んでもらいやすいゴールデンタイム”です。
- 週末は午前中と夜19〜21時が狙い目
- 休日は生活リズムが平日とは異なります。午前10時頃まではゆったりスマホを閲覧する人が多く、夜19〜21時は外出や家事を終えてリラックスしている時間帯です。娯楽系や趣味系のアンケートは週末配信が好成績を出すケースもあります。
記憶が新鮮なうちに依頼する
購入・来店・サービス利用などの体験直後は、感情も記憶も鮮明なゴールデンタイムです。
この瞬間に依頼すると、具体的かつ熱量の高い回答を得やすくなります。
- 店舗利用なら2時間以内が理想
- 接客の印象や店内の雰囲気など、細かな記憶が残っているうちに送るとレビュー精度が向上します。「店を出てから30分後にSMSで依頼」といったフローを組むと効果的です。
- オンライン購入は24時間以内に送付
- サイトの使い勝手や決済フローへの感想は、購入完了から1日も経てば薄れてしまいます。購入確認メールと同時、あるいは翌朝にリマインドを送ると回答率アップが期待できます。
体験と時間帯の両面から最適な配信タイミングを見極めることで、同じアンケートでも回答率が劇的に変わります。配信ログを分析し、自社顧客の“回答しやすい瞬間”を継続的に検証・更新していきましょう。
工夫 5:諦めずにフォローアップする
最初の配信だけで十分な回答数を確保できないケースは珍しくありません。適切な間隔と内容でリマインドを送ることで、未回答者の背中を押し、最終的な回収率を大きく底上げできます。ただし、連絡がしつこすぎると逆効果になるため、タイミングとトーンのバランスが重要です。
リマインドは「間隔・回数・内容」をセットで設計する
1回目のリマインドは初回配信から 2〜3日後が目安です。まだメールを開封していない、あるいは「あとで回答しよう」と考えながら忘れてしまった層に思い出してもらう役割を持ちます。本文では「所要時間は3分」「◯月◯日までにご回答ください」など、負担の軽さと期限を改めて伝えると効果的です。
2回目は1週間後を目安に送信します。忙しさが原因で先送りしている人、スマートフォンでメールを流し読みしてスルーした人など、広い層に再チャレンジの機会を提供できます。この段階では、回答特典のメリットや、集まった回答がどのように活用されているかを具体的に示し、「参加する価値」を改めて訴求しましょう。
締め切り直前、あるいは最終日の前日〜当日午前中に送る“ラストコール”は、緊急性を示す件名やカウントダウン表現が有効です。たとえば【本日23:59締切】アンケートご協力のお願いなど、読者が即行動を起こしやすいメッセージを心掛けます。ここでの文量は短くまとめ、「未回答の方はこちら」のリンクを目立たせるとクリック率が高まります。
チャンネルと文調を変えてストレスを軽減する
同じメールテンプレートを何度も送ると「スパム扱い」されやすくなります。1回目はメール、2回目はLINE公式アカウントやSMSなど別チャネルで送る方法や、件名・冒頭挨拶を変えて新鮮さを演出する工夫が有効です。
- メール→SMS→メール
- 公式 LINE→プッシュ通知→メール
といった順序で、チャネルを横断しながらリマインドすると、読み手のストレスを軽減しつつ接触回数を増やせます。
トラッキングと A/B テストで最適な頻度を見つける
リマインド効果は業種やターゲットによって大きく異なります。配信ログを分析し、「○日後のリマインドで最も回答が増えた」「SMSよりメールの方が開封率が高い」などのデータを蓄積しましょう。件名・送信時間・チャネルをA/Bテストで比較し、最も成果が出るパターンを次回施策へ反映します。
フォローアップは「うるさ過ぎず、しかし忘れさせない」絶妙な頻度と内容がポイントです。初回配信だけで終わらせず、計画的なリマインドを実践することで、アンケートの回答率は確実に伸びていきます。
まとめ
アンケートの回収率を高めるには、回答者の視点で設計と運用を見直すことが欠かせません。本記事で紹介した五つのポイント(依頼文の最適化、魅力的な特典設計、答えやすい設問構成、配信タイミングの工夫、計画的なフォローアップ)を組み合わせれば、現状の回答率を着実に底上げできます。ぜひ自社のアンケート施策に取り入れ、信頼性の高いデータ収集と改善の好循環を築いてください。
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